化粧品を販売するのに許可は必要?OEM導入で押さえておきたいポイントも解説
2024/06/21スタートアップとして化粧品販売を始めてみたい、あるいは新たな事業として化粧品を展開してみ…
そもそも広義でのバルクとは《大きさ》《容量》《容積》《かさ》などを指す言葉です。
化粧品業界では主に《小分けの容器に充填する前の化粧品の中身》を指して一般的にバルクと呼称しています。
化粧品を製造する際、大きな釜のような専用設備で各種原料を混ぜ合わせます。こうして出来上がったものが充填前の化粧品の中身、つまりバルクとなるわけです。
これを製品ごとの容器に充填し、ラベル貼りや化粧箱入れなどの仕上げ工程を経て、完成した《化粧品》として消費者の手元に届きます。
化粧品の製造工程は非常に大まかに分類すると2つに分けることが出来ます。
まず一つは《①バルクの製造》。そしてもう一つが《②製造したバルクの充填・仕上げ》です。
化粧品を製造している大多数の工場は①、②ともに行っていますが、状況によっては①だけ、或いは②だけを行う場合もあります。
例えば、化粧品のOEM製造においてOEMの依頼者から①、②のいずれかのみを依頼された場合や、自社設備のトラブルなどで②だけを外部に委託する場合などです。
特に前者などは、化粧品OEMの現場では決して珍しいケースではありません。
だからこそ、OEMに携わる方はバルクの製造工程や、取り扱いなどについて詳しく知るのは非常に有益なこととなるでしょう。
上段に付随する内容となりますが、①で製造したバルクはなにも国内に限って移動の可能性があるわけではありません。
海を渡って海外に輸出して海外で充填仕上げを行う可能性もありますし、その逆に海外で製造したバルクを輸入して国内工場で充填・仕上げをするケースも当然あり得るケースです。
海外にバルクを輸出する場合、化粧品バルクはドラム缶のような大型容器に入れて出荷されるのが一般的です。
但し、国内での移動の場合と異なり“輸出規制の確認” “輸送方法の検討”“輸出に必要な証明書の準備”といった諸手続きが必要になるので注意が必要です。
またこれは、海外からバルクを輸入するときも同様です。
次にバルクの製造工程について詳しくご説明してまいります。
化粧品は複数の原材料が混合されて出来ています。
製造の第一段階として、まずはこれら原材料に異常がないかを確認します。
目視で性状に問題ないか確認をし、色、匂いなども異常がないかをしっかりとチェックします。これら検査の結果、使用可能と認められた原材料のみでバルクの製造をします。
原材料が指定された配合通りになるように0.01g単位まで厳密に計量を行います。
化粧品バルクは非常に細かな配合率で処方設計されていますので、ここで僅かでも誤差が生じてしまうと、色味や香り、テクスチャーなど、作ろうとしていたバルクとは全くことなるものが仕上がってしまう可能性もあるので、慎重な計測が必須となります。
計量まで行ったらいよいよバルクの製造です。
各原材料を指定された順番通りに製造釜に投入して混ぜ合わせて攪拌していきます。
上記工程が済んだら、使用した器具はすぐに洗浄・乾燥し、次に製造するバルクへの混入を防ぐように徹底します。
バルク製造が終わったら、そのバルクが規定通りのものとなっているかどうかの品質検査を行います。
見た目をチェックする【外観検査】、匂いやテクスチャを確認する【官能試験】、phや粘土、硬さなどを調べる【物性測定】、微生物による汚染がないかをみる【微生物試験】などといった検査があります。
試験で問題がなければバルクを小分け容器に充填していきます。
ボトル・チューブ・ガラス容器など、化粧品の容器のバリエーションは多岐に渡ります。また製品によっては加温状態での充填が必要であったり、その後の冷却が必要な場合もあります。
充填した製品は包装の工程へと移ります。
包装の種類も実に様々です。熱で収縮するフィルムで覆うシュリンク包装の製品もあれば、専用の化粧箱に入れる製品もあるでしょう。また、それらの上からアテンションシールを貼付するという仕様も珍しくはありません。
これらの工程を経て、最終的に出荷検査を行います。
その検査で合格が出てはじめて工場から出荷されることを許されるのです。
このように、化粧品のバルクは様々な試験・検査・確認を何重にも行うことによってはじめて充填、製品化することができます。
それも当然のこと、もしバルクに問題があったら、最悪の場合は消費者に健康被害をもたらす可能性もあるからです。だからこそ製造工場は細心の注意を払って各工程に臨んでいます。
もし化粧品OEM展開をお考えの場合、厳格な製造工場の基準に戸惑ってしまい、なかなか話を前に進めることが出来ないということもあるかもしれません。
そんな場合は様々な製造工場を熟知している化粧品OEMメーカーを利用するのがいいかもしれません。
OEMメーカーは工場の求めるものをしっかりと理解しつつ、依頼者の目的実現の為に最善策を見つけてくれるはずです。そうすることで驚くほどスムーズに商品開発も進むことでしょう。
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